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古代・中国の諺に“食は生命なり食誤る時病を発し、病発しても食正しければ病治る”というものがあります。これは全ての生物が保有している自然回復力を助長する事が健康の基本であり正しい食事をすることが病気の予防につながるという考え方です。 また、中国では古来より『医食同源』といって食べ物と薬に一線を画することなく、疾病を予防し健康増進の目的で食事と薬とを同列に扱う伝統があります。これは、毎日体に取り入れる食べ物こそ体を作り、体を治すということ先に紹介した諺と同様に長い歴史の中で体験しているからこそ体得した言葉だと言えます。
中国では少なくとも二千年以上前から、経験に基づいた独自の栄養学が伝えられ、食物や料理法に関する古典書物が多数残されてきました。これら中国伝統の栄養学は、食物が体内に入ったときにどのような作用をするのか、その効能・効果について記されているのが特徴です。例えば、ネギには発汗・利尿作用があり、梨は咳止めの効果を有し、ホウレンソウは補血作用があり、黒豆には腎の機能を高めるといったものです。
現代医学が最近になってやっと気がついた食品の免疫系や内分泌系など諸臓器の働きを調節する機能(生体調節機能)について二千年以上前から十分認識していたからに他なりません。 漢方薬で使用される生薬の薬効も、このような食材の効能の知識の延長上にあります。つまり日々の食事も漢方薬による治療も、医食同源の思想のもとに同じ考えかたで成り立っているのです。健康を保つためにはなにより食事が一番大切であり、病気を治すにも、薬より食事療法を優先すべきことを説いています。 |

大豆には、黄大豆・青大豆・黒大豆(黒豆)・赤大豆・茶大豆などがあります。普通大豆といわれているのは、黄大豆のことです。この黄大豆の薬理的作用については、アメリカをはじめ国内でも注目され、医学的研究、薬学的研究が進んでいます。しかし、黒豆については、栽培地が中国や日本に限られる作物のためか、これを研究対象とした論文はあまりありません。 しかし、なぜか漢方書では、普通の大豆よりも黒豆の記載の方が圧倒的に多いのです。
古書「神農本草経(しんのうほんぞう)」には、その効能について、「砕いて外用とすれば一切の腫れものを治す。生大豆を内服すれば水腫を除き、胃中の熱を去り、小便淋瀝するを治し、古血を下し、穀を下し、腹張を止める。また、諸毒を消し、腎を補い、血を活し、風を散じ、腫を消す」とも述べられています。 簡単にまとめると、@腎を補い利尿作用もあるので、浮腫しやすい人に A寝汗をかきやすく、疲れやすい人に Bリウマチ性の疾患を持つ人に C安胎作用もあるので妊婦の方に D種々の食品や毒物の解毒に E湿疹やできものの外用に 効能があるとされています。その他、漢方のバイブルといわれる『中薬大辞典』や 中国の薬物書『本草綱目』などにも、黒豆は「腎の機能を高めるという働き」があるとされ、高く評価されています。
このように黒豆は漢方の世界では、非常に希少価値の高い食物として位置づけられていました。 |
 
近年では、野崎豊氏により、高血圧症、糖尿病での丹波黒大豆の臨床効果と薬理効果が報告されたり(1997年)。 そのすばらしい機能性成分の海外での研究者も増えてきている。 「黒大豆は体によい」と昔から言われてきたが、その薬効作用の解明が今始まっています。 |